タイトルを「自然・人と住まい」としたのは
ココログを利用し始めたわけは、開始日2月1日に「はじめに」のなかで書き込みしましたので、今日はタイトルを「自然・人と住まい」としたことについて、思いを述べたいと思います。本当は建築をテーマとした記事を書くことはあまりのり気ではないのです。と言うのは昨今建築の世界では社会を騒がせる話題が続出しており、書いているうちにそのような問題に触れることも多くなり、ともすると書いた内容を誤解されて批判を浴びたり、めんどうな事になることも考えられ、自分も苦しい思いをすることが有りうるからです。耐震偽装建築やハートビル法違反の違法改造や、防衛庁の施設関係幹部の天下りや、大手建設会社の相次ぐ談合と本当に建築を業としている私たちには肩身の狭い話ばかり多く、建築関係者と言うだけで、あの連中の一人かと思われるのではと、一言々々の書き込みにも気を使ってしまう昨今の状況です。また、書き込みしている間に過去に自分のしてきた仕事の失敗、あるいは体制的にそうせざるを得なかった事もありますが、大型マンション建設に伴う環境問題で、近隣紛争に巻き込まれた思い出など苦い経験を一つ一つ思い出しながら書くことは、まったく苦痛なのです。
でも、落ち着いて良く考えると、人々の生活にとって無くてはならない建物を造る仕事は必要なものですし、まったく投げ出してしまうわけには行かない、私たちに課せられた課題ですので、少しづつ書いて皆さんのご意見も頂いたりしながら、建築に対する考え方が良い方向に向かえばと言う思いで、重い腰をあげたということです。
前置きが長くてタイトルを「自然・人とすまい」としたわけの話になかなか移れませんが、もう少しお付き合いいただけるでしょうか。もともと人のすまいと言うのは、自然の洞窟や崖にくりぬいた横穴で、自然のなかで生きてゆく為に、風雨をしのぎ、日中の暑い日ざしをさえぎり、生きてゆくための環境の確保でした。それが発展して、屋根を葺き、壁を設け、柱や梁で支え、自分たちにとってより良い生活が出来るように試行錯誤を繰り返しながら現代の建築の形へと移り変わって来るまでに、4千年以上の歴史を費やしています。その過程の中では、煮炊きや暖をとる為の火が元になって火災になったり、地震で折角の住居が崩れたり、高望みして造ったそばから崩れてしまったバベルの塔のような建物も有ったわけです。建築は自然から身を守り災害に強く、自然の生活の悪条件を取り除き快適な生活をするために、一歩ずつ築いてきた人間の知恵の結晶です。
しかし今、新たな問題が起こっています。建築はその中に生活する人々を、守り快適な生活空間を生み出すだけでなく、周辺の環境、あるいは地球全体の環境に影響を与えるほど地球上にあふれ、言い換えれば都市化と言うことに寄る社会問題になっているのです。身近なところでは、南側に新しい建物が出来て日が当らなくなった。ハリケーンや台風で屋根が吹き飛んだ。津波や水害で建物が泥に埋まったり使えなくなった。予想以上に強い地震で建物がもたなかった。地震で倒れた建物から出火した火が周辺に燃え広がった。などニュースの種に事欠かない程の問題が発生しています。人体に有害な建材の使用禁止と、今まで使用された有害建材の処分の問題もあります。建築物内部の温度環境を一定に保つために使われるエネルギーの問題は全地球的自然環境への影響を及ぼしています。建材として使用する自然資源の量のバランスの問題もあります。
私の小さな考えでは、対処しきれないほどの色々な問題を抱えながら、建築に携わる私たちの活動は進行しています。いつもそんな大きな課題を考えて、建築活動をしているわけでは有りませんが、自然との関わりを抜きにして、建築活動はできません。タイトル「自然・人と住まい」は、人の住む’すまい’を考えるとき、そんな自然との関わりを大切にしながら、より良い住生活の出来る様考えようと言う思いを表したものです。日本を愛し日本に根付いた、西洋建築をもたらしてくれた、フランク・ロイド・ライト氏も自然・人間・建築というテーマを深く考えてその著書を著しております。私がことさら言うことではなく、建築に携わる人たち皆の課題だと思います。コメントをお待ちしています。
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